TOP BLOG チタン・CFRP・異種金属も切断可能!ウォータージェットを活用した精密板金の可能性

チタン・CFRP・異種金属も切断可能!ウォータージェットを活用した精密板金の可能性

近年の最先端産業(航空宇宙・半導体・新エネルギー・医療機器など)では、軽量化や高強度の要求に伴い、従来のステンレスや鉄・アルミだけでなく、チタン合金、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、異種金属複合材といった高機能素材の採用が加速しています。

しかし、これらの新素材・難削材は「レーザーで焼け焦げる」「刃物がすぐに摩耗する」「熱で離層する」など、従来の精密板金加工技術では切断自体が非常に困難でした。

こうした課題を劇的に解決するのが、ウォータージェット切断技術です。本記事では、難削材加工におけるウォータージェットの強みと、精密板金分野での新しい可能性について解説します。

なぜ難削材・新素材はレーザーや機械加工が難しいのか?

新素材の加工現場では、以下のような課題が頻発します。

  • チタン・チタン合金:熱伝導率が低いため切断部に熱がこもりやすく、レーザー切断では切断面が著しく酸化・硬化して品質が劣化します。
  • CFRP(カーボン):熱に弱い樹脂と高強度の炭素繊維で構成されているため、レーザーでは樹脂が焼損・焦げ、機械切断では繊維のフクレや層間剥離(デラミネーション)が発生します。
  • 銅・真鍮(高反射材):レーザー光を反射してしまうため、ファイバーレーザー等でも加工条件が極めてシビアです。
  • クラッド鋼・異種金属貼り合わせ材:融点や熱膨張率が異なるため、熱加工では剥がれや歪みが発生します。

ウォータージェットが難削材加工を可能にする理由

ウォータージェットは、超高圧の水流とアブレシブ(ガーネット砥粒)の微小研削力で削り取るため、素材の物理的・化学的性質に左右されずに切断が可能です。

対象素材従来の加工(レーザー・メカ切断)の課題ウォータージェット加工の優位性 
チタン・チタン合金酸化・受熱硬化・刃物損耗が激しい熱影響部ゼロ。組織変化なしで滑らかな切断面
CFRP(カーボン)熱による焦げ・樹脂の溶解・層間剥離非熱加工のため焦げ・剥離なし。バリフリー切断
異種金属複合材融点差による剥離・熱歪み・境界部の変質境界面も歪みや剥離なく均一に切断可能
石英ガラス・セラミックスヒビ割れ(クラック)や欠けが発生低圧貫通制御により割れを防いで精密カット

精密板金×ウォータージェットで広がるものづくりの可能性

ブランク切断工程にウォータージェットを組み込むことで、これまでの精密板金の枠を超えた設計が可能になります。

① 厚板チタンの精密板金パーツ化

熱影響を受けないため、切断後の二次加工(開先加工やプレス曲げ・溶接)への影響がなく、航空宇宙分野や医療用インプラント周辺器具の試作製造がスムーズになります。

② 樹脂・ガラス・金属の異種材料一体型構造

金属板金フレームと樹脂パッキンや強化ガラスの同形同時切断、あるいは貼り合わせた状態からの貫通カットなど、新発想のモジュール構造を実現できます。

③ 極薄板の複数枚重ね切り(スタック加工)

0.1mmなどの極薄ステンレスやチタン箔を数十枚重ねて固定し、一気にウォータージェットで抜くことで、熱溶着させることなく大量の薄板パーツを高速・高精度に製作できます。

丸山ステンレス工業(熊本)の難削材ウォータージェット加工への取り組み

熊本の丸山ステンレス工業は、水と砥粒の混合流を高次元で制御する超高圧ウォータージェット加工設備を自社所有しています。

ステンレス精密板金で長年培った厳格な寸法管理ノウハウを難削材加工へ応用。半導体分野で用いられる特殊合成樹脂やクリーンルーム用セラミックス部材、チタン部材など、他社で「加工不可」と断られた特殊素材のブランク加工にも数多くお応えしています。

まとめ

新素材・異種金属の精密加工は、製品の軽量化や高性能化を図る上で避けては通れない領域です。ウォータージェット技術を精密板金に応用することで、熱課題をクリアした次世代の製造ソリューションを提供できます。

「チタンやCFRPの切断で焦げや歪みに困っている」「特殊な金属・樹脂の複合部材を精密に加工したい」という設計・開発担当者様は、丸山ステンレス工業までご相談ください。